台風15号支援レポートまとめ【静岡市駿河区】6月26~30日
【諦めなかったお父さん】6月26日
昨年の台風15号による家裏山の土砂崩れ。
なかなか行政との調整が付かず、自らの軽トラックに手積み手降ろしで、土砂借り置き場に運んでいたお父さん。
今回の台風2号の影響による線状降水帯で、地元社協さんと連携してコーディネート活動をする、やらざあ駿河さんが、以前の台風被害があったところを、その後の状況確認していたところ、台風15号の被害もまだ片付いていないと言う事を知り、早急にOPEN JAPANに相談依頼が来ました。
現場の写真から、重機の必要性を確認していたので、可能であれば即座に対応出来るように、重機を積載して現地調査に行きました。
行政との調整折り合いが付かず、昨年の台風被害以降、空いた時間を利用して、自ら軽トラで手積み手降ろしをして、土砂を搬出していたお父さん。
6月末で土砂の借り置き場が閉鎖になる事を知らされ、これまで諦めずに土砂を運び続けて来た強い心にも、もう無理だと弱音を吐いたと言う。
これまで延べにして軽トラで180台程運んだと言うお父さん。
重機を持って現地調査に来た我々に、お金を請求されるなら御断りするつもりで対応すると、思っていたお父さん。
我々はあくまでもボランティアで、お金は一切発生しませんと説明し、それを聞いたお父さんは、心の底から安堵した様子でした。
現地調査したのは日曜日だったので、土砂の搬出が出来ず、重機である程度積み込み作業が楽に出来るように、土砂を整理してその日は終了。
そして本日、重機で積み込みされた土砂が、ダンプで搬出されて行き、みるみるうちに土砂が消えて行く様子を見て、お父さんが抱いていた心の不安や不満、そして負担も消えて行く様子が伺えました。
自分の休む時間など無く、ずっと土砂と向き合って来たお父さん。
土砂が押し寄せた事による家族の不安を、一手に引き受けながら、必死に土砂と向き合って来たお父さん。
自分の、
「土砂は2日くらいで無くなるよと」
掛けた言葉に、喜びと、驚きと同時に、懸命に土砂と向き合って来た道のりやるせなさも感じていた様子でした。
奥さん・子供の不安や心配を取り除く為、
主人として懸命に土砂を取り続けて来たお父さん。
これまでの努力に敬意を表し、諦めなかった想いに尊敬の念を抱くところであります。
諦めなくて良かったねお父さん。
奥さんと娘さんに感謝されて良かったねお父さん。
明日は全ての土砂を取り除いて、安心して安全に暮らせるようにするからねお父さん。
これからも我々は、諦めずに被災された皆様の、”その先の笑顔の為に” 頑張って行きたいと思います。
(重機隊 バ)
【先日の諦めなかったお父さんの続報】6月30日
静岡市駿河区で活動される、やらざあ駿河さんから、土砂崩れに関する現地調査の依頼を受け、
事前に拝見した写真から、1.7トンの重機で対応が可能と見込み、即対応をするつもりで現地に向かいました。
現場に着くなり、緊張した赴きで対応に当たる、被災を受けた住民さん。
実はこの時、業者が重機を持って来て、土砂の搬出運搬一式でいくらと、見積り価格を提示して来るのだろうと、思っていたと話してくれました。
もしその時点で金額が提示されたら、即座に御断りすると思っていたと話してくれました。
我々はボランティア。
一切の金額請求はしない旨を話すと、驚きと共に安堵する様子が伺え、眼に涙を浮かべる姿が見て取れました。
その日は日曜日。
土砂の仮り置き場は休みだったので、重機をダンプから降ろして、翌日からすぐに土砂を搬出出来るように、土砂を整理しました。
どれくらいの日数で、土砂の搬出が完了するかと聞いて来る、この被災現場のお父さん。
「2日もあれば終わりますよ」と、話す自分の言葉に、あまりの衝撃に戸惑っていました。
昨年9月末から今まで、ひたすら土砂と向き合い、所有する軽トラのエンジンが焼き付き、エンジンの乗せ変えをしてまでも運び続けたこれまでがを振り返り、驚きと共にやるせなさを感じて、戸惑いを隠せないようでした。
そして翌日、朝から仲間の島さんが、自分が積み込みした土砂を積んで、仮置き場にダンプで走る。
刻一刻と土砂が消えて行くのを見て、お父さんが安堵して行く姿が、とても嬉しく思えました。
実はこれまでに、お父さんは軽トラで180台もの土砂を運んだと話す。
しかも手積み手降ろしで。
自分の時間を削って土砂と向き合って来たお父さん。
土砂の圧力により、鉄骨とアングルで造られている傭壁がきしむ音で、奥さんと娘さんが恐怖と不安を覚え、安らぐ暇が無く、その状況を何としても解消しなければと、一心不乱に土砂と向き合って来た事を、お父さんの話しで知る。
夫として、父親として、女房子供を護らねばと、男の意地を見せて来たお父さん。
天晴れです。
凄過ぎます。
行政からは土砂の受け入れをしている仮置き場が、6月末で閉鎖される旨の通達を受ける。
これまで懸命に土砂と向き合って来たお父さんの強い心も、それを聞いて諦めるしかないと思ったと言う。
「これまで一生懸命頑張って来たから、神様が我々と引き合わせてくれたのですよ」と、自分が語り掛ける。
涙をいっぱい流しながら、人の繋がりの素晴らしさを感じていたお父さんの姿を見て、自分も貰い泣き。
真っ昼間から男二人、泣きながら語り合うのでした。
土砂の搬出2日目、土砂は綺麗に無くなり、この家族の心にずっと乗り掛かっていた不安や不満、そして負担が、一緒に無くなって行った事が、とてもとても嬉しく、仲間の島さんと一緒に大喜びを致しました。
これまでのお父さんの心労と、家族の恐怖と不安、そして運んでも運んでも、なかなか減らなかった土砂が無くなり、梅雨空の下、お父さんの頑張りに感謝する奥さんと娘さんの姿を見ながら、駿河の土砂崩れの案件、完了です!!
(重機隊 バ)
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